高尾山でなぜ遭難してしまうのか 山岳遭難数が国内屈指になる背景https://t.co/MhccQmTDvn
— 朝日新聞デジタル速報席 (@asahicom) June 19, 2025
警察庁が19日に発表した山岳遭難の統計によると、2024年には高尾山系で131人が遭難した。これは富士山の83人や、3千メートル峰が連なる北アルプス・穂高連峰の66人より多い。
朝日新聞がこのような記事を出していた。高尾山の遭難が富士山や穂高より多いのはなぜか、というところに着目したものである。
しかしこれは当然の話。なにしろ高尾山の年間入山者数は300万人ほどと言われている。それに対して富士山は20万人。穂高は正確な統計がないので不明だが、長野県と岐阜県の調査によると、10万人~20万人の間くらいだと思われる。
いくら高尾山が初心者向けの山とはいっても、10倍以上の数が登っていれば、そりゃあ遭難者の数も多くなるでしょう。
それ以外の理由があるのかと思って記事を読んでみたところ、案の定なにもなかった。
「初心者向けの山として知られている高尾山でも年間131人もの遭難が起こっている」という注意喚起としての意味はあるかもしれないが、それならば書き方はもう少し違うものになるべき。現状では要らぬ誤解を生む記事になってしまっていると思う。
この記事の元ネタとなった警察庁の遭難統計レポートを見ると、高尾山、富士山、穂高連峰がピックアップされて、それぞれの遭難者数が記されているページがある。ここを見て「えっ! 高尾山の遭難者数は富士山や穂高より多いのか!!」と記者が早合点して、こういう記事を書いてしまったのではないかと想像される。
試しに、入山者数に対しての遭難者数の割合を出してみると以下のようになった。
高尾山:2万3000人に1人
富士山:2400人に1人
穂高連峰:2300人に1人
記事を書くなら、こういう数字も念頭に置きつつ、高尾山の遭難について考えるものにしないと意味ある記事にならないんじゃないか。
ちなみにちょっと思いついたので、ディズニーリゾート(ディズニーランド+ディズニーシー)についても調べてみた。
年間入場者数:約2756万人
年間救急出動件数:1760件*
*ディズニーリゾートがある千葉県舞浜地区の2023年度救急出動件数は1955件。その9割がディズニーリゾートだと推計されている
これを上と同様に割合にしてみると
ディズニーリゾート:1万5660人に1人
かなり大ざっぱな計算だし、山の事故とディズニーランドの救急案件を同列に比べるものでもないけれど、そんなところを差し引いたとしても、高尾山の危険性はそんなに煽るもんじゃないということは言えるのではないだろうか。
▲高尾山の入口となる清滝駅
ディズニーリゾートを舐めるな!www
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