2022年6月9日木曜日

山のテント指定地はだれが指定しているのか


山に行くと、多くの人気山域ではテントを張る場所が決められていて、そこは「テント指定地」などと呼ばれています。

それはだれが「指定」しているのか?

山小屋でしょうと考える人が多いかもしれないが、違います。山小屋は指定地の管理・運営を委託されているだけで、指定の主体ではないのです。

ではだれが?

これがよくわからないのです。25年も山岳メディアに携わっていながら、ここについては私も詳しいことをほとんど知らない。それは私だけではなくて、山と溪谷にしろ岳人にしろPEAKSにしろ日本山岳・スポーツクライミング協会にしろ日本山岳ガイド協会にしろ、テント指定地の全貌を把握している人っていないんじゃないだろうか。

なぜ知らないのかというと、知る必要がなかったから。テント指定地というのは、多くの場合、山小屋の付随業務的にゆるやかに管理されてきたし、利用料も1人500円程度と安いもの。そこに義務や権利を意識させるようなものではなかったからです。

ところが最近はそれも変わってきました。コロナのせいで利用料は急騰。1人2000円なんてところも現れています。さらにはSNSの影響。「闇テン」なんて言葉が登場したように、指定地に張らないヤツは登山者失格という空気も醸成されてきました。

となると、そもそもの指定を行なっている責任主体はだれなんだ、という疑問が生じてくるのも必然。私は生じました。

そこで調べてみましたが、仕事の片手間にちょっと調べてみただけではまったくわからん! 全国の指定地一覧表などがあるわけではなく、指定の主体も事業執行の主体もわからない。断片的な情報が集まってくるだけで、全貌がわからないのだ。

どうもこれは登山道と同じで、慣習と縦割り行政と無関心が複雑にからみ合った世界で、そんな簡単にわかるものではなさそうだ。

ということで、断片的な情報をここに溜めていくことで、気長に調べていくことにしました。新たなことがわかり次第ここに載せていく更新型の記事にするので、なにかご存知の方はぜひお知らせください。下のコメント欄でもいいですし、ここでもかまいません。


【6月11日追記】

どうも以下のようなことなのではないか……というところまで考察が進んできました。合ってるかどうかはまだわかりません。

1)テント場ができる(戦前)

2)林野庁が事後承認(戦前~戦後)

3)環境庁ができてそちらに指定権限移管(1970年代以降)

4)以降も実質的業務は土地所有者の林野庁が所管

5)国有林外に作られたテント場の管理状況は場所によってまちまち



日本の国立公園(環境省)

各公園のページに「公園計画書」という資料があり、野営場についての記載があることが多い


中部山岳国立公園(北アルプス)の公園計画書(PDF/環境省)

4ページと6ページ、および104ページ以降に野営場の一覧あり


中央アルプス国定公園の公園計画書案(PDF/環境省)

50ページ以降に野営場の一覧あり


■林野庁のコメント

森山が公式ホームページの問合せコーナーから質問したところ、以下のような回答でした。

「南アルプス、北アルプスなどの国立公園、国定公園に指定されている場所では、自然公園法を所管する環境省の所管となります。その他の場所でのキャンプ場につきましては、所有者(地方自治体、個人など)あるいは管理者が設置しているものと思われます。国有林では林野庁がキャンプ場を設置し、管理、整備を行っています。」


全国国有林地図

膨大な数のPDFがリンクされており、見るのはめちゃくちゃ大変


■北アルプスのある山小屋

テント場についての窓口は林野庁であると(森山が)聞いたことがあります


■関東近郊のある山小屋

自然公園法にはこれまでテント場の指定という条項がなく、テント場は慣例によって運営管理されていたが、近々、なんらかのかたちで明文化する等の議論が予定されているとのこと。


2022年6月2日木曜日

アルパインクライミングとバリエーションルートと本チャンの違い

ロープやクライミングギアを使うなど、普通の登山と比べて難しい登山行為をなんと呼ぶか。いろいろ呼び方はあるのだけど、そのそれぞれが人によって少しずつ認識がズレていることを感じる機会がしばしばあるので、ここで整理してみようと思う。



アルパインクライミング

急峻な岩場や雪、氷などが出てくる難しい山を登ること。



マッターホルンやアイガーなど、ヨーロッパアルプスの山がまさにこれに当てはまります。アラスカやロッキー山脈、南米のアンデス、ニュージーランドのサザンアルプスなどもそうですね。ヒマラヤでやっていることも大きくとらえればアルパインクライミングといえるのですが、8000mなど標高が高くなってくると独特の行動様式やスキルが必要になってくるので、そこは「高所登山」として分けて考えるほうがよいと思います。

日本でアルパインクライミングに相当するのは、まずは冬の岩壁登攀。「冬壁」などといわれるやつです。剱岳や穂高、谷川岳、八ヶ岳などが代表的。

剱岳の岩壁や岩稜は、夏でもアプローチにそこそこの雪上技術を要求されるので、アルパインクライミングといっていいと思います。一方で、瑞牆山のマルチピッチルートなどは氷雪要素ゼロなのでアルパインクライミングではない。夏の北岳バットレスや谷川岳一ノ倉沢などもアルパインとはいいにくいけど、わずかに簡単な雪渓があったりもするので微妙なラインといえなくもない。――という感じ。


瑞牆山のマルチピッチルート


夏の谷川岳一ノ倉沢


これは夏の剱岳八ツ峰




バリエーションルート

ノーマルルートの対概念。

登頂しやすい一般的なルートがまず存在することが条件で、それ以外の登路をバリエーションルートと呼ぶ。

たとえば槍ヶ岳でいえば、もっとも登りやすいノーマルルートは、槍沢(もしくは飛騨沢)~山頂。それに対して北鎌尾根はバリエーションルート。登山道がなく、北鎌尾根でもない場所を千丈沢かどこかから適当に登ってもそれはバリエーションルート。

ここには、雪や氷があることとか、クライミング技術が必要とかの条件はありません。その意味では、沢登りは多くの場合、バリエーションルートに当たります。「多くの場合」と書いたのは、まれに、山頂に達するにもっとも容易なルートが沢登りになる山もあるからです。


ここで説明のために極端な例をあげましょう。

下の写真は私が昔登ったアフリカの岩山ですが(サントメ・プリンシペ民主共和国のピコ・カン・グランデ663m)、私たちが初登頂であり、いちばん簡単そうなところから登ったので、やってることはクライミングそのものではありますが、「バリエーションルートを登った」とはいえません。

近ごろ、欧米のクライマーが数パーティ訪れて私たちよりはるかに難しいルートで登頂に成功しています。彼ら彼女らが登ったのがバリエーションルートということになります。




逆の極端な例をあげると、高尾山北面の樹林をヤブこぎして山頂に達するのはバリエーションルートといえます。




本チャン

古い山ヤにしか通じない言葉かも。これはゲレンデの対概念です。

昔は、ゲレンデと呼ばれる近郊の岩場でクライミング技術の練習をしてから、剱や穂高、谷川岳などのルートに向かうのが一般的でした(関東では三ツ峠や越沢バットレス、関西では六甲堡塁岩などがゲレンデとして有名)。

「ゲレンデは卒業して、そろそろ本チャン行くか!」

なんて会話が行なわれていたものです。要するに、本チャン=本番という意味ですね。

ただし、フリークライミングの普及にともなってゲレンデという呼称がほぼ死語になったので、その対概念たる本チャンも自動的に死語となりました。

――となるのが本来であるはずなのだけど、なぜか本チャンだけは今でもけっこうしぶとく使われているようです。山岳会で登山を覚えた人とかが使っているのかな?




以上のことからまとめると

・アルパインクライミングは登山のカテゴリー

・バリエーションルートは登山ルートの種別

・本チャンはゲレンデの対義語

ということ。

それぞれまったく別のレイヤーの話なのです。


なのだけど、これを全部同じ意味でとらえている人も少なくないようです。私も言葉を扱う仕事をしていなければ、そんなにこだわらなかったと思いますし、難しい所を行くチャレンジングな登山を「アルパイン」とか「バリ」とか「本チャン」とかの言葉でざくっとひとまとめに言い表すのが便利であることも確か。

ただし、もともと意味が異なる用語なので、正しく使うにこしたことはない。人それぞれに認識のズレがある用語を使っていると、コミュニケーションにもズレが生じるし、これから登山を始めようとする人が混乱してしまうこともあるだろうしね。。



2022年4月14日木曜日

『さよなら、野口 健』感想


この本、面白かった!

一冊を通しての感想は、とにかく「野口健、めちゃくちゃ!」ということ。

気まぐれで、意味不明にすぐキレ、感情的でありながらも計算高く、一方で、情に厚い部分もあり、不可能を可能にする行動力には目を見張り、放ってはおけない人間味というか可愛げもある。この本で書かれている人物像が実像なのだとすると、そのへんにはそうそういない、きわめて奇矯な個性だといえる。私は読んでいてスティーブ・ジョブズを連想してしかたがなかった。

以下、感じたことを思いつくままに列挙しておこう。



■野口健、めちゃくちゃ

良くも悪くも野口健、すごい! もうその印象に尽きる。ここまでむちゃくちゃな人だとは知らなかった。それはたとえば以下のようなものだ。


・大スポンサーがついたエベレスト遠征を「どうしてもピンとこない」という理由で中止

・当時の総理大臣、橋本龍太郎に初対面でイヤミを突きつける(この逸話は私も知っていた)

・事務所からの独立に際して、「この人がすべてを仕切ってくれるから電話して」と、ある弁護士を小林さん(本書の著者)に紹介するが、小林さんが電話すると「野口さんなど知らない」と言われる(しかし事態はうまくいく)

・同じ選挙区で立候補している、党が異なるふたりの政治家を両方公然と応援する

・急にフリーズして執筆途中の原稿データが消えてしまったパソコンをピッケルで破壊

・別の会社に転職した小林さんの名刺を「こんなものは認めん」と言って食べる

・植村直己の妻の公子さんにエベレスト出発前に験担ぎの儀式をしてもらったという、著書や講演会でよく語られている有名なエピソードがあるが、それはほぼ事実ではなかった

・富士山の環境保護に関する記者会見に地元首長を招待。会見場では首長たちの席はなぜか壇上になっており、戸惑う首長をよそに、「野口健氏と各市町村、がっちりタッグ」などと報道されてしまう


もうわけわからないけど、とにかくすごいよ、野口健。こうした「トンデモ人物伝」としてだけでも、本書は楽しめるのではないだろうか。


■是々非々

野口さんに関する文献といえば、「すごい」と称賛するものか、「ニセモノだ」と批判するもののどちらか。しかし本書は、野口さんのダメなところもいいところも、どちらもイーブンに記している。私はここにとても好感をもった。人というのは、そもそも一面的には判断できないものだ。どんな人にだっていいところがあるし、悪いところがある。そこを誇張することも隠すこともなくさらけ出しているのが本書のいいところだと感じた。


■文章が読みやすい

元マネージャーが書いた本だというので、それなりに読みづらいものかと思いきや、とても文章が達者でスルスルと読める。私はほぼ1日で一気に読んでしまった。文章には勢いがあり、読ませる力がある人なのだと思う。本書中でも語られているが、著者の小林元喜さんはもともと小説家志望だったのだという。なるほど納得である。


■ただし構成はややまとまりなし

最後、叙述が駆け足になった印象あり。8~9割くらいまではいいテンポで進んでいたのだけど、最後、バタバタッとエンディングに向かってまとめた感があり、読後感が消化不良でもったいなく感じた。あと、本書を通じて時系列がいまいちわかりにくかったりして、一冊の本としての構成は少々雑に感じる。


■著者の小林さんもクセ者である

小林さんは、学生時代に作家の村上龍の実家にアポなしで突撃して執筆の手伝い仕事を獲得したり、石原慎太郎の自宅にまたもアポなし突撃して、公式サイト制作の仕事を獲得したりもしている。このこと自体がちょっと普通じゃなく、このあたりは野口さんにそっくりだ。さらに、元マネージャーというが、途中で3回もやめている。仕事はできるようだが激情家でもあるようで、野口さんとは似たもの同士だったのかもしれない。


■著者の事情を語る部分は好みが分かれるかも

本書は野口健の人物伝ではあるが、同時に、著者の小林さんの人生の記録ともなっている。そのため、野口さんとは関係がない小林さんの私生活についても、けっこうな字数を費やして記されている。本に奥行を与える必要な記述と私は感じたが、「おまえの人生には興味ないよ」と、余計な部分に感じる人もいるかもしれない。



いずれにしろ、野口健に少しでも関心のある人なら興味深く読める一冊になっていると思う。一気に読める勢いがあるのでおすすめである。

あと、「面白い」だけではなく、考えさせられたこともあった。それについてはイマイチ考えがまとまっていないので別の機会に。




2022年2月24日木曜日

日本で2番目に高い山って知ってる?

 

2番だって、いいじゃないですか 「日本No.2協会」立ち上げ:朝日新聞デジタル


日本で2番目に高い山・北岳(3193m)を擁する山梨県南アルプス市の有志がこういう団体を立ち上げたそうです。気持ちはよくわかる。なにしろ、標高第1位の富士山に比べて、北岳の知名度は悲しいくらい低いのだから。登山をやっていない人で「日本の標高2位の山は?」という問いに即座に答えられる人ってどれくらいいるんだろう。

このニュースを読んで、昔書いた記事を思い出した。以下がそれです。




東京・新宿の街を歩いていたときのこと。すぐ目の前を4、5人の男子高校生が歩いている。

「日本でさあ、2番目に高い山ってどこだか知ってる?」

都会の雑踏で、ふつうの高校生が発したこのひとことがいきなり耳に入ってきた。風景のひとつとしてしか目に入っていなかった高校生の存在が突然、気になってしかたがない。なんて答えるんだ? 僕は接近の度合いを強めた。

「知らね」

……やっぱり知らないよね。

答えたひとりが、クイズの主に聞く。

「で、どこなの?」
「いや、オレも知らない」
「じゃ、なんで聞くんだよ」
「いやあ、知ってるかなあと思ってさあ……」

キ・タ・ダ・ケだよ!

日本で2番目に高い山は南アルプスの北岳、標高は3193m。僕はそうしゃしゃり出ていきたい衝動を必死でこらえた。そのうちすぐに、高校生の話題は新しいケータイのことに変わっていった。

金メダリストの名前は多くの人が覚えているが、銀メダリストはすぐ忘れられてしまう。世の中はそんなものとわかってはいる。富士山の知名度にくらべて北岳のそれが比較にならないほど低いことも充分理解できる。しかし……。

北岳はもうちょっと注目されてもいい山ではないかと思うのだ。槍ヶ岳や剱岳の圧倒的な個性にはさすがに及ばないことは、南アルプスファンの僕でも認めざるを得ない。しかし白馬岳や穂高と比べてどうなのかといえばほぼ同等と考えている。穂高には高山植物の豊富さで圧勝だし、白馬岳にはコースのバリエーションで上回る。それに甲斐駒ヶ岳や間ノ岳など南北方向から北岳を見てほしい。ひときわ鋭く突き立った山容にびっくりするだろう。なにより、標高は北アルプスの山すべてをしのぐのだ。

個人的には、北岳という名前がよくないと思っている。あまりにも無個性にすぎやしないか。槍ヶ岳や剱岳、白馬岳などのオリジナリティにくらべてどうだ。どこかの裏山みたいな名前ではないか。国内2番目に高い山がこれだけ知られていないのは、この名前も大きく影響しているに違いないのだ。

ところで、南アルプスで北岳に次いで高い山はどこだかご存知だろうか。

間ノ岳である。

……ちょっと、南アルプスの山のネーミングをしたやつ出て来いと言いたい。「なにかの間にある山」って感じで(名前の由来は本当にそうらしい)、北岳以上にどうでもよさ満点ではないか。

実際にどうでもいい感じのピークならそれでもいい。しかし、北岳の山頂に立ったら南を見てほしい。目の前にそびえる堂々たる量感の山にだれもが目を奪われるはずなのだ。北アルプスでいえば薬師岳のような存在感。しかも標高は国内4番目なのだ。

ツートップが平凡すぎる名前であることが南アルプスの不運と信じている。しかし内容は薄っぺらではないことは保証する。新宿の高校生には求めないけれど、せめて山好きの人にはそれを知ってほしいのである。




これはPEAKSの南アルプス特集の冒頭に載せたエッセイの一部です。この話を「エピソード1」として、南アルプスの特徴を表す個人的エピソードを3つ書きました。ちなみに「2」は「巨大タンカー・赤石岳」、「3」は「高山裏のオヤジ」です。

この記事、締切直前に猛スピードで書きとばしたものなのだけど、なぜかよく書けていて、いまでもお気に入りの記事のひとつなのです。編集部内では「これ実話?」なんて疑われたけど、100%実話!

ちなみに文中に出てくる間ノ岳、この記事が出た数年後に標高が3190mに改訂されて、奥穂高岳と並ぶ国内第3位に昇格しております。



記事が掲載されている本はこれ↓



2022年1月2日日曜日

2021年8月6日金曜日

章子怡はチャン・ツィイーと呼ぶのに、なぜ習近平はシュウ・キンペイと呼ぶのか



オリンピックを見ていてふと気になったこと。


というより、前から気になっていたのだけど、あらためて気になるので書いてみます。


「なんで中国人の名前を日本語読みするの?」


というテーマについてです。





スポーツクライミングで、パン・ユーフェイ(潘愚非)という中国人選手がいます。以前からクライミング競技を見てきた人は、この選手のことは「パン・ユーフェイ」で認識していました。しかし予選を見ながらふと思いました。彼が決勝に進んでテレビ中継に登場したら、実況の人は「さあ、次は中国のハン・グヒです!!」と紹介することになるんじゃないか!!?  卓球でも体操でも、オリンピック中継は中国人選手の名前を日本語読みしていますからね。


でも。


「え? ハングヒ? 中国からはパン・ユーフェイが出てるはずなんだけど、別人か? いや、でも顔は同じっぽい…」


今までパン・ユーフェイという名前に親しんでいたクライマーは、このように混乱すること間違いないでしょう。アナウンサーに「このハングヒはどういう選手なんですか?」と振られた解説者も、「え!? あっ…、パn…いや、ハン選手はですね……」と、一瞬挙動不審に陥ってしまうことが想像されます(結果的にパン選手は決勝に進めなかったのでテレビには登場しませんでしたが)。


思うんですが、そろそろ中国人の名前は日本語読みではなく、現地音読みにしたほうがいいんじゃないでしょうか。確かに昔は問題なかったと思います。毛沢東は「もう・たくとう」だし、鄧小平は「とう・しょうへい」。


しかし最近は、最初から現地音読みで日本に紹介される人が増えています。チャン・ツィイーとか芸能人がその中心ですが、マスコミに登場しないようなマイナースポーツの世界でも同じです。日本でも知られる中国人が政治家や歴史上の人にかぎらず、多岐にわたってきているので、日本語読みと現地音読みが混在する状況になってしまっているのです。


ならば現地音読みに統一したほうが、今後のことを考えるといろいろ混乱が少ないんじゃないか……と思うのです。


ずっと定着していた読み方を変えるとかえって混乱してよくない。という意見もあるかと思いますが、それは経験上、きっと問題はないと私は考えます。


というのも。


私が子どものころは、中国人だけでなく、韓国人・朝鮮人の名前も日本語読みしていました。朴正煕は「ぼく・せいき」、金日成は「きん・にっせい」でした。「パク・チョンヒ」とか「キム・イルソン」と呼ぶ人は一般にはいなかったですね。『あしたのジョー』に出てくる金竜飛だって「きん・りゅうひ」でした。


それが変わったのは1980年代と記憶しています。当時の韓国大統領は「ぜん・とかん」(全斗煥)でしたが、任期後半か退任後くらいから「チョン・ドゥファン」と呼ばれる機会が増えていきました。最初は「ん?」と思ったものの、すぐにチョン・ドゥファンに慣れてしまいました。一方、北朝鮮で金正日が次期国家主席として報道され始めたのは92~93年ごろだと思いますが、彼は最初から「キム・ジョンイル」でした。「きん・せいにち」と呼ぶ人は多くないんじゃないでしょうか。


この変更の理由には、韓国からの要請があったらしいのですが、理由はどうあれ、10年もたたずに、韓国人・朝鮮人は現地音読みが日本で定着したということです。それにまつわる混乱も記憶がありません。


このことを思い返せば、中国人だって意外と大した混乱なく、現地音読みに切り替わってしまうんじゃないかと思うのです。むしろ変わらず日本語読みを続けるほうが、上に書いたパン・ユーフェイのような混乱が増えていくように思うのですが、どうなんでしょうか?? 



*冒頭の画像は大陸中国ではなく、台湾です。中国行ったことないので


2021年7月12日月曜日

6月の北アルプスで使える道具

 

6月の北アルプスは危ない


この記事を書いたあとに思ったのだけど、6月の北アルプスみたいな中途半端なコンディションのときって、どんな靴を履いていくべきか迷いますよね。本格的な雪山用ブーツは重すぎるし、かといってトレッキングブーツだと雪の斜面が出てきたときに心許ないし。


私もずっと正解がわからなくて、結果、リーボックのローカットシューズなんて履いていってしまいました。


考えてみれば、「6月の北アルプスに向いている道具」なんて解説される機会はほとんどありませんでした。ここに情報のエアポケットが生じていることに気づいたので、どんな道具がいいのか以下解説してみます。




1)ある程度ソールが硬い

2)かといって雪山用ブーツよりは硬くない

3)ある程度軽い(600~800gくらい)


こんなところが条件かなと思います。「ある程度」とか基準がわからない条件ばかりですみませんが、まあざっくりと、「雪山用ブーツ以下、トレッキングブーツ以上」と考えてもらえれば。


1)は、雪の上を歩くときに重要な要素。靴に剛性がないと雪面にがっちり蹴り込めず、歩行が不安定になってしまうのです。ふにゃふにゃにやわらかいリーボックでヤバい思いをした私がいい例です。もうひとつ、ソールが硬くあるべき理由は、アイゼンを付けたときに安定しやすいこと。ソールがやわらかい靴では歩行中にアイゼンが外れてしまったりするからです。


↑こんなふうに雪にしっかり食い込ませられる靴でありたいわけです



2)は、とはいえガチガチに硬いと、通常の登山道が歩きにくくなってしまうから。北アルプスといえど6月ならば、雪の上を歩く区間は全行程の1割程度(コースにもよりますが)。鉄板のように硬い靴では、普通の登山道が歩きにくいですからね。


3)は2)と同じような理由。歩きの軽快感もそこそこ重視したい。この時期は雪はあるけど気温はそれほど低くありません。なので冬用ブーツのような保温性は不要。むしろ足が暑くなってしまうので、アッパーは比較的軽量に作られているもののほうが具合がよいです。


ひとことで言ってみれば、「ゴツめのトレッキングブーツ」という感じの靴。代表的なモデルをあげるとすれば、以下のようなところ。



スカルパ・リベレHD



ローバー・チェベダーレ EVO GT



ザンバラン・バルトロGT



スポルティバ・トランゴ アルプ エボ GTX




価格的には4万円台のものが多く、どうしても高めにはなってしまいますね。ただし、厳冬期の雪山と真夏、そして低山をのぞけばけっこう活躍範囲は広いし、作りがしっかりしているので長持ちするし、1足持っておいて損はないんじゃないかと思います。


ちなみに私は、アゾロのエルブルースGVという靴を履いています。がっしりしているのに一般登山道の歩行感も悪くなく、気に入っております。






アイゼン

チェーンスパイクで対応できる場合もあるけれど、原則的には10本爪以上のアイゼンが必要です(4本爪とか6本爪の軽アイゼンはこの時期に使うには力不足)。


靴に装着さえできれば、冬に使っている12本爪フルスペックのアイゼンでもかまいません。耐久性や雪上での制動力はそれがいちばん高いので、重さが問題でなければ冬用アイゼンを使うのがベスト。


ただし上にも書いたように、6月となれば、雪上を歩くのは全行程の1割程度しかありません。そのときのために1kgくらいあるフルスペックアイゼンを持ち歩くのは面倒だ。そういう人は、軽いアルミ製とか、作りを少し簡易的にしているタイプがいいかと思います。


私が残雪期専用機として使っているのはこれ。グリベルのエアーテックライトというアルミ製のものです。



岩の上を歩くと一撃ですり減るし、制動力もスチール製に比べるとイマイチですが、スチール製の3分の2ほどの軽さは捨てがたく、もっぱらこれを使っています。


一方、作りを簡易的にしているタイプというのは、主に10本爪タイプなど。12本爪フルスペックアイゼンとアルミ製アイゼンの中間くらいの重さです。爪はスチールなので強度・耐久性ともにしっかりあるのが魅力。製品としてはあまり選択肢が多くありませんが、たとえばこのへん。


カンプ・アッセントユニバーサル 



クライミングテクノロジー・ネビス フレックス 





ここで注目したいのはセンターバー(リンキングバー)。上にあげたふたつも、私のエアーテックライトも、ここがガチガチではなく、しなるようになっています。



これはどういう意味があるかというと、こういうこと。




ソールが曲がる靴にガチガチセンターバーのアイゼンを付けると、歩行中に外れやすくなるのです。以前、ガチガチセンターバーのアルミアイゼンをやわらかいトレッキングブーツに無理やり付けて登っていた私の知人が、突然バチンとアイゼンが外れて、目の前で滑落していったこともありました。


あまり注目されることがないパーツですが、ソールが多少なりともしなるブーツに取り付けるときは、ここけっこう重要ポイントです。


ちなみにグリベルやペツルは、しなるセンターバーを別売りパーツとして販売しています。手持ちのアイゼンを手軽にカスタムできるので、これは親切な対応かと思います。




ピッケル

アイゼン同様、重ささえ気にならなければ、冬の雪山登山で使っているものを使ってもかまいません。大は小を兼ねる。


ただしこれもアイゼンと同じく、行程の一部分でしか使わないのに重くかさばるものを持ち歩くのは少々ストレス。そういう人は、残雪期専用として以下のようなピッケルを使うといいかと思います。


1)軽い(350g以下くらいが目安)

2)短め(50cm前後)


多くのメーカーが、軽さを重視したこういうモデルを出しています。ポイント的に使うなら、こういう軽量モデルでも十分使えます。ただし、ヘッドがアルミ製で極端に軽量化したものは避けたほうがよいかも。これはエクストリーマーとかバックカントリースキーヤーなど「わかってる人が割り切って使う物」で、強度的に少々不十分だからです。


ということでおすすめはこのへん。


ブラックダイヤモンド・レイブンプロ



ペツル・グレイシャーライトライド 




グリベル・ゴーストEVO



ブルーアイス・アキラアッズ




ちょっと高いけど、ブルーアイスとか個人的にシブい選択かなと思います。持ってる人少なくてレアだし、仕様的にアルパイン系にもかなり使えそうです。



ちなみに私が使っているのはこれ。


左が、ブラックダイヤモンド・レイブンの軽量バージョン「レイブンウルトラ」。右がペツル・ライド。後者はスチールヘッドなのに240gと振り切った軽量性を誇ります。ただしピックが短めで全体に軽すぎるので、急斜面ではちょっと不安です。使わないかもしれないけど念のためとか、ワンポイント的に使うときだけライドを持っていきます。




靴・アイゼン・ピッケル以外は、6月の北アルプスで特筆すべきことはありません。サングラスと日焼け止め忘れずに、くらいかな。気温はもうけっこう高いので、ウエア類は夏山に準ずるようなもので大丈夫です。冬用のハードシェルは少々大げさ。レインウエアのほうがなにかと便利かなって感じです。以上。



2021年7月10日土曜日

6月の北アルプスは危ない

 

穂高で滑落して九死に一生を得た人の動画をYouTubeで見た。やっぱり6月の穂高は危ないなとあらためて思ったのだが、ほぼ同じ時期、ほぼ同じ場所で、自分も過去にかなりヤバい体験をしたことを思い出した。


動画の人は、穂高岳山荘まではなんとかたどり着いたのだが、山荘からの下りで滑落してヘリ救助になっている。まさにそこ! ほぼ同じ時期! まるでデジャビュかと思うほど条件は似通っている。


そのときの顛末を過去にPEAKSに書いたことがある。6月の穂高がどんな感じなのか知るにはそれなりにわかりやすい文章だと思うので、PEAKS編集部の許可を得ずに以下に掲載します。



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6月25日


僕はひとりで涸沢まで登ってきた。あいにく天気はよくなく、断続的に雨が降っている。平日ということもあり、涸沢カールにはだれもいない。テントのひと張りもない。


灰色の空をバックにした穂高の稜線にはガスがからみつき、威圧的な姿を見せている。いつも夏に見ていた華やかな印象とはまったく違う。岩と雪のモノトーンの世界。だれにも頼ることができない圧倒的な大自然が醸し出す妖気に、僕は気圧されていた。


「もう6月末なんだから、軽い装備でライト&ファストにいこう」と、しゃらくさい考えでいた僕の足下はリーボックのローカットシューズ。ピッケルもアイゼンも持っていない。さすがに不安になって、涸沢ヒュッテで軽アイゼンを借りた。


穂高岳山荘に向かって登りだす。遠目にはゆるく見えた雪の斜面は、取り付いてみると意外に傾斜が強い。残雪というと、太陽光でゆるんだグサグサの雪しか知らなかった僕は、雪が意外に硬いことにも面食らった。


やわらかいリーボックの靴はソールにエッジがなく、クロックスのように丸まっている。いくら雪面に蹴り込んでも安定せず、いまにも滑り出しそうだ。小さな4本歯の軽アイゼンはこの傾斜ではほぼ無力。これはたまらん。トラバースして、もう雪が消えていたザイテングラートに逃げた。ああ、ひと安心。


天気はいっこうに回復せず、雨脚は強まってきた。あの広い涸沢カールに僕ひとり。威圧的だった穂高はさらに大きく、高圧的なまでに僕にプレッシャーをかけてくる。時間はもう4時だ。


穂高岳山荘がほぼ同高度に見えてきた。逃げ切れたか。そう思ってちょっとしたふくらみを乗り越えたら、山荘と僕の間は幅100mくらいの急な雪の斜面になっていた。さっきよりずっと傾斜が強い。ここをトラバースしていけというのか。そんなわけないだろう。


ほかに道があるはずだとあたりを見回してみるが、さらに傾斜がきつい雪の壁か岩場があるのみ。どう見てもここしかない。


斜面の下を覗き込む。はるか下に涸沢ヒュッテが1cmくらいの大きさで見えている。1000mくらいはあるのか。スリップしたらあそこまで止まらないだろう。幸い、フォールラインに岩は見当たらないが、1000mも滑っていく間、生きていられるのかはわからない。


周囲には人影はゼロ。トラバースの一歩を踏み出すかどうかは、すべて自分の判断だ。家族の顔が頭をよぎる。ミスしたらすまない。覚悟を決めてトラバース開始。ふにゃっとヨレる靴の足裏に、全身の神経を張り巡らせる。3分の2くらいまで渡ってきたところで、集中力が切れてきた。まずいぞ。最後まで集中しろ。


穂高岳山荘が建つ石段の片隅にようやく足が掛かった。倒れ込むようにゴールテープを切った。もう動けない。極度の放心状態。山荘に入っても言葉がうまく出てこず、山荘スタッフが心配している。でもいいのだ。おれは生き残ったぞ!


下りはどうしたって? 来た道を下るなんてことはもちろんできない。大キレット方面に向かい、南岳から下山した。しかしそっちはまるで記憶にない。ザイテングラートよりはるかに難しいはずの道なのだが、天気は回復したし、稜線上には雪が全然なかったのだ。リーボックは超快調であった。まったく、一筋縄ではいかないぜ、残雪期。

(PEAKS 2014年5月号より)


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思うんですが、6月の穂高や剱岳って、一年でいちばん危ない時期なんじゃないでしょうか。6月って、すでに街は夏みたいで半袖短パンで過ごしているし、同じ3000m級の山でも南アルプスや八ヶ岳は、もうほぼ夏と同条件で登れてしまいます。


しかし北アルプスは違います。まだ雪が豊富に残っていて、つまり、「早めの夏山」ではなく、「遅めの雪山」なわけです。そこに夏山気分の軽装で行ってしまい、進退窮まるわけです。当時の私がまさにそうでしたし、今回滑落した方も、装備を見るかぎりそんな感じでした。


6月って、梅雨ということもあって登山者の数が少なく、この時期の北アルプスの危険性が指摘されることはあまりなかったように思います。であるからこそ情報が少なく、登山者の意識と現場のコンディションのギャップが大きくなりやすい。そこに、事故が多発する原因があるように感じます。





上に転載した文章は、PEAKSの記事では後半部分。前半では、めちゃくちゃ快適に登れた5月の体験を書いています。残雪期は、装備とコンディション次第で登山の困難度がものすごく変わる難しい季節なのだ……ということを伝えるのが狙いの記事です。




6月の北アルプスで使える道具





2021年2月16日火曜日

枻出版社が民事再生に

 

倒産速報 | 株式会社 帝国データバンク[TDB]

私の古巣のひとつ、枻出版社が民事再生になってしまった。ニュースが公になる前日にPEAKS編集部から聞いて知っていたし、年末にPEAKSやランドネが別会社に売却されたときのほうが驚きはむしろ大きかったのだが、元社員としてはやはり苦いものを感じる。

昨日、その債権者説明会があったので行ってきた(原稿料が2カ月分凍結されたので私も債権者)。説明によると、ここ数年、売上が急速に減少していたところに、予期せぬコロナ禍が致命傷になったようだった。

現在は出版不況の時代。そのなかでもっとも打撃を受けているのが雑誌。書籍(単行本)や漫画も売上は落ちているのだが、雑誌はそれと比べても落ち幅が激しい。そして枻出版社は雑誌中心の会社。書籍はあまり強くなく、売上の多くを雑誌で稼いでいた会社だ。

そのわりには持ちこたえているほうだと思っていたのだが、2017年ごろをピークに、わずか数年で転げ落ちるように売上を落としていたようだった。なんとか危機を脱出しようとギリギリであがいているところに、思わぬ方向から飛んできたコロナパンチがヒットしてしまった……というところか。



古巣のくせに他人事のように淡々と書いていて冷たいやつだ……と自分でも思うが、私は40歳を過ぎてからの中途入社で、しかもアウトドア専門要員だったので、枻出版社社員というよりもPEAKS編集部員だったという意識のほうが強い。さらに、所属していた会社の経営危機はこれで2度目(前回は2006年に山と溪谷社がインプレスホールディングスに買収されたとき)。こういうことはあるんだなと、へんに達観してしまっているところがある。

幸い、ひと足先に枻出版社から独立していたアウトドア雑誌(+ゴルフ、自転車、サーフィンなど)をはじめ、多くの雑誌は引き受け手の会社が次々決まっており、変わらず刊行されていくようだ。

実際、私も今週から来週にかけては、PEAKS次号の仕事ですでに埋まっている。原稿料凍結を食らっていながら人がいいなとこれまた自分でも思うが、つらい思いをしているのは私以上に編集部員。私もヤマケイが危機のときは肩身が狭い思いをしたし、部外者から理不尽ないじめを受けたりもしたので(あのときいじめたやつは一生許さん)、立場はよくわかる。私は愛社精神は希薄だったが編集部愛はあったので、ここは協力したい。



しかしそのアウトドア部門も、枻出版社社内では比較的落ち幅が少なかった(であろう)とはいえ、出版不況の荒波を前にして、会社が変わってこれでひと安心というわけにはいかないはず。旧来の出版ビジネスの枠組みはとっくに制度疲労を起こしている。今後、なんらかの抜本的な改革は必要なんだろう。

フリーランスになってからつくづく思うのだが、こういうときに出版出身者は本当にダメだなということ。なんらかの改革やパラダイムシフトが必要なときでも、既存の出版ビジネスの枠内でしか物事を考えられないのだ(もちろん私も含む)。一方で、ウェブメディアなど出版とは関係ない分野の人と話をすると、「えっ、そんなやり方アリだったのか」と、目を開かされることが多い。PEAKSやランドネも、そういう外部の異なる目線を入れていくことは絶対に必要だと思う。

その意味では、それこそ出版とは関連ゼロだったドリームインキュベータという会社がPEAKSの親会社になったことには、むしろ期待をしたいところ。出版脳ではないフラットな目線で、アウトドアメディアの可能性を掘り起こしてほしい。

一方で、出版社社員の立場を離れてから同時に感じているのは、コンテンツ制作能力は出版出身者は高いということ。これはウェブメディアと付き合っているとすごく感じる。「この人なんかデキるな」と感じてよくよく話を聞くと、じつは出版社出身ということが多いのだ。これはひいき目ではないと思う。人々が面白いと感じるものを的確にピックアップする嗅覚と、素材をより面白くする技術をたくさん持っている点において、出版出身者はやはりレベルが高いと感じる。



なので、出版出身でない人がビジネスの大枠を設計するプロデューサーとして機能し、出版出身者がそこに合ったコンテンツを提供していくという組み合わせがこれからの理想なのだろう。PEAKSの新会社(ピークス株式会社という名前。ややこしいが、社名はPEAKSとは関係なく、綴りはPEACS)もそこがうまく機能することを期待したい。

おそらくその過程では軋轢も起こると思う。これもヤマケイのときの経験上、なんとなく想像できる。よくあることだが、そのときに「出版文化」みたいなことを持ち出すと、話がそこでストップし、対立を深めるだけになると思う。なじんだしきたりはひとまず脇に置き、新しい環境を刺激的なものとして吸収していってほしい。……って、えらそうに上から目線で言っているが、おまえにそれができたのかと言われれば黙るしかないのだけど(笑)



明々後日はショップの人が集まる取材。絶対にこの話題で持ちきりになるはず。とりあえず「僕の考えはブログに書いておいたので読んでください」と言っておこう。