文字起こしそのままだとこれくらい読みにくいぞというのを実例をもって検証|森山憲一|山岳ライター
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山岳遭難救助は有料化するべきなのかそうでないのか
「遭難救助は税金のムダ」なんかじゃないと思うのだが
山岳遭難救助は有料化するべきかそうでないのか
なぜ登山だけを有料にするのか
どこからが山岳遭難で、どこまでが山岳遭難ではないのか
本質的な話は以上です
海外ではどうしているのか
ネパール(ヒマラヤ)では山岳救助に警察なり軍のヘリが飛ぶというのは基本なし。全て民間ヘリなので原則自己負担。故に山岳保険に必ず入ってからヒマラヤ入り。手配をしてくれる現地のエージェントも入山許可書の手続きの際に必ずと言っていい程、山岳保険に入っているかどうか確認が入ります。
<中略>
富士山に限っては国際的なルールに基づいて管理すべき。国も山梨、静岡両県に押し付けるのではなく、国が中心になって両県と連携しながら迅速に新ルールを作成して頂きたい。
以下は私見
2025年6月23日月曜日
高尾山の遭難は国内屈指なのか←違うと思う
高尾山でなぜ遭難してしまうのか 山岳遭難数が国内屈指になる背景https://t.co/MhccQmTDvn
— 朝日新聞デジタル速報席 (@asahicom) June 19, 2025
警察庁が19日に発表した山岳遭難の統計によると、2024年には高尾山系で131人が遭難した。これは富士山の83人や、3千メートル峰が連なる北アルプス・穂高連峰の66人より多い。
富士山:2400人に1人
穂高連峰:2300人に1人
記事を書くなら、こういう数字も念頭に置きつつ、高尾山の遭難について考えるものにしないと意味ある記事にならないんじゃないか。
ちなみにふと思いついたので、ディズニーリゾート(ディズニーランド+ディズニーシー)についても調べてみた。
年間入場者数:約2756万人
年間救急出動件数:1760件*
*ディズニーリゾートがある千葉県舞浜地区の2023年度救急出動件数は1955件。その9割がディズニーリゾートだと推計されている
これを上と同様に割合にしてみると
ディズニーリゾート:1万5660人に1人
かなり大ざっぱな計算だし、山の事故とディズニーランドの救急案件を同列に比べるものでもないけれど、そんなところを差し引いたとしても、高尾山の危険性はそんなに煽るもんじゃないということは言えるのではないだろうか。
2024年9月22日日曜日
野口健「シナ発言」についての私的解説
なんでわざわざシナって言うかね。最低発言。 https://t.co/reAvqbnlr1
— 森山憲一 (@kenichimoriyama) September 19, 2024
ツイッターでちょっとした炎上を引き起こしてタイムラインをお騒がせしてしまいました。「あなたは言葉が足りないところがある」と妻に言われ、確かにそういう部分はあるかもしれないと思ったので、発言の補足および、これを機会にポリシーについても説明しておこうと思います。
普段SNSでは政治や社会の問題に口を出すことはないのですが、それがなぜ、野口健さんの投稿に異を唱えたかというと、理由がふたつあります。
1)野口さんは世間では登山家を代表する存在と見なされているため
2)投稿内容が一線を超えていると思われたため
同じ投稿内容でも、投稿者が登山とは関係ない人だったら、私が口を出すことはありませんでした。しかし野口さんは日本で最も知名度の高い「登山家」といえます。であれば、登山界側からの異論も必要だと考えました。
野口さんは中国での児童殺害事件について、「シナの大使を国外追放すべき」と発言しています。もちろん事件は痛ましくひどいものです。しかしそれを非難するために「シナ」という言葉を使う必要は全くないでしょう。必要ないどころか、悪感情を無駄に煽って害悪ですらあります。そこが一線を超えたと判断した部分です。
今アメリカでは、SNSの暴走によって民衆の分断と過激化が進み、現実の殺人事件にまで発展する抜き差しならない事態に陥っているといいます。一連の中国の事件も、SNSの過激化による影響が考えられるという説を目にしました。こうしたところには、過剰な言葉で人の感情を過度に煽る悪質なアジテーターがいます。野口さんはそれになりたいのでしょうか?
他人の不幸に便乗して自分の思想を主張したり利得を企んだりする人を私はとりわけ軽蔑しています。最低の行為だと考えます。野口さんが使った「シナ」という言葉にはそれを感じました。だから私は「最低発言」だと表現しました。なぜ普通に「中国大使を国外追放すべき」と書かなかったのか。それでもかなり強い言葉ですが、そのレベルに留まっていれば、私は一線を超えたとまでは思わなかったはずです。
もし野口さんが、事件のあまりのひどさに激しい怒りを抱き、つい侮蔑的表現を口走ってしまったというのなら、まだ理解できる部分もありました。ところがそのすぐ後に野口さんは、ネパールでの家族旅行のほのぼのとしたツイートをしているのです。なんなんですかその軽さは。侮蔑的表現を使うに値する強い思いがあったわけではないんだなと判断するしかないではありませんか。
野口さんが普段から右寄りというか愛国的な思想を持っていることは知っています。そこは私が口を出す筋合いのものではないし、問題あることとも思いません。ただしそれは正しく主張していただきたい。侮蔑や差別になってしまっては非難されて当然だと考えます。
ちなみに私自身は明確な政治的思想を持っているわけではなく、ほぼ中道でどちらかというと左寄りというところだと思います。支持政党は特になく、選挙のたびに政党関係なくよさそうな人に入れています。最近では国民民主党の主張が自分の考えに近いところが多いかなという感じでしょうか。
何事も事案ごとに是々非々で判断するのが好きなので、私の言動には一貫性がなく、わかりにくく見えることがあるかもしれません。実際、私の過去ツイートや書いた記事では、野口さんについて擁護したり支持したりしているものもあります。それがなぜ突然批判するのか。そういうところが外部的にはわかりづらく映るかもしれないという自覚もあります。
私は誰かを批判的に語るときは、その人格と発言を意識的に区別するようにしています。これは言論では基本作法ですが、世間一般的には人格と発言をまぜこぜで語られがちです。だから私が野口さんの発言を支持すると「森山は野口派なんだな」ととらえられたり、逆に批判すると「アンチ野口なんですね」と言われたりする。いや、場合によってどっちもあるんですよ。
今回の一件で評価はだいぶ下がったものの、野口健という人物自体に私は特に悪感情を抱いてはおりません。同意できる意見や評価できる部分があることも事実で、今でも全否定するつもりはありません。しかし野口さんが9月19日9時14分に行なった発言は間違いなく最低である。ここははっきりさせておきたい。
こうした私の態度はわかりにくいものなのかもしれないけれど、そもそも世の中や人間ってそんなに一面的に判断できるものではないでしょう。簡単に決めつけてしまうから過激化するんだよ。ということも私にとっては大きなテーマなので、この機会に主張しておきたいところです。
以降はある程度余談ですが、炎上中、サヨク呼ばわりされたことは不愉快でした。右翼の野口さんを批判するのなら左翼。そういう単純なものの見方はやめてほしい。私は党派制でしかものを考えられない偏った思想が嫌いなだけ。言ってみれば「反偏」。強いて言えばそれが自分の思想ということになるのかもしれない。
たとえば、よく投げつけられた言葉に「青木理の劣等民族発言についてもコメントをどうぞ」というものがありました。これは私を左翼だと決めつけての嫌がらせなのだと思いますが、それに答えるとすると「青木理の劣等民族発言は最低である」となります。このニュースを聞いたときは、言論人として終わってるなと感じました。これは野口さんのシナ発言に匹敵する最低発言だと考えています。
ただしこれも野口さんと同じで、青木さんを全否定するつもりはありません。青木さんの過去の仕事には、今でもよく覚えているほど素晴らしいものもありました。今後、青木さんが劣等民族的な言動を繰り返して、過去の貯金を失ってしまったら全否定に至ることもあると思いますが、それまでは是々非々です。人間ってそういうものでしょう!?
2024年8月27日火曜日
統計から考える高齢登山者のリスク
山岳遭難の統計を調べていて、あらためてうーんと考えさせられた。以下は過去10年の死亡者・行方不明者の年齢別割合である。
— 森山憲一 (@kenichimoriyama) August 26, 2024
20歳未満:0.9%
20-29:2.5%
30-39:4.5%
40-49:8.8%
50-59:13.7%
60-69:26.9%
70-79:30.2%
80-89:11.4%
90歳以上:1.0%
不明:0.1%
こんなツイートをした。
死亡・行方不明者は50歳以上だけで83%を占める、高齢登山者のリスクは顕著に高いということがいえそうなので、高齢登山者への安全啓発が必要なのではないか……ということを続けて書いている。
これが思いのほか拡散され、多くのご指摘・ご意見をいただいた。いわく「高齢登山者の数が多いだけなのではないか」「高齢者には山菜採りの事故が含まれているのではないか」「遭難率としては若者のほうが高いのではないか」などなど……。
書いたことはジャストアイデアもしくは仮説のようなことで、厳密に詰めて考えたものではなかったのだが、これだけ拡散されると、もう少しちゃんと考えないといけないなと思った。
そのなかで最重要な検討事項は「高齢登山者の数が多いだけなのではないか」ということ。高齢登山者の数が多ければ、それに比例して死亡・行方不明などの事故数が増えるのも当然……というわけだ。そこはわかっていたのだが、全登山者の年齢別人口のデータを持っていなかったので、自分の印象を書くにとどめていた(50歳以上の登山者が5割、それ以下が5割と見積もった)。
そうしたら、いただいたリプライのなかで、総務省統計局の統計を教えてくれた方がいた。私は登山者人口のデータというとレジャー白書のものくらいしか知らなかったのだが、統計局の統計を見ると、かなり細かく登山者のデータをとっている。そこには年齢別データもあった。
そこで、この統計(令和3年社会生活基本調査)を使って、さらなる検討を加えてみることにした。その結果が以下である。
登山者人口は860万人!
統計局の調査によれば、登山者の全人口は約860万人。レジャー白書では500万人ほどになっているので、ずいぶん多い印象だ。年齢別に見ると、以下のようになる。
10代:75万人
20代:105万人
30代:120万人
40代:170万人
50代:156万人
60代:126万人
70代:92万人
80代以上:17万人
総数:861万人
50歳未満が470万人で約55%、50歳以上が391万人で約45%。おお、自分の見積もりはいい線突いていたじゃないかと悦に入ることができた。
これを割合(%)表示にして、死亡・行方不明者の割合と比較するとこうなる。
10代:8.8%(死亡・行方不明者0.9%)
20代:12.2%(同2.5%)
30代:13.9%(同4.5%)
40代:19.7%(同8.8%)
50代:18.1%(同13.7%)
60代:14.6%(同26.9%)
70代:10.7%(同30.2%)
80代以上:2%(同12.4%)
20代から70代まで年代別の人口比はほぼ均等に10%台に収まっているのに対して、死亡・行方不明者の割合は60代・70代で顕著に跳ね上がっている。やはり高齢登山者は危険度が高い……といえそうなのだが、総務省の統計には他にも興味深いデータがあった。それは1年間の登山日数だ。
高齢者は山行日数が多い
統計では、1年間に何日登山に行ったかということまで調べていた。1年に1~4日/5~9日/10~19日/20~39日/40~99日/100~199日/200日以上の7段階に分け、それぞれ年齢別に数を出している。
これを見ると、高齢者、とくに60代と70代は他の年代に比べて山行日数が多い人が多い。年に1~4日という人の数は、50歳未満:50歳以上が6:4の割合なのだが、5~9日になると5:5になり、20~39日は1:3、200日以上で3:7となる。高齢者はよく山に行っているという傾向が明らかだ。
年に1日しか山に行かない人と100日行く人では、後者のほうが、1年のうちに事故に遭う可能性が高いことは自明。となると、山行日数と死亡・行方不明者数を比べるのが最もフェアといえるだろう。
そこで、年代別に1年間の山行日数を計算してみた(統計では1~4日などと幅があるので、間の数字をとって計算)。その結果得られた、1人あたりの年間平均山行日数が以下である。
10代:5.6日
20代:4.6日
30代:5.9日
40代:6.0日
50代:7.6日
60代:10.5日
70代:15.1日
80代以上:11.5日
こうしてみると、60代以上の山行日数が顕著に多くなっていることがはっきりする。
さらに、のべ山行日数を年代別に出し、そのボリュームを%で表示すると以下のようになる。
10代:6.3%
20代:7.1%
30代:10.5%
40代:15.3%
50代:17.6%
60代:19.8%
70代:20.6%
80代以上:2.8%
総人口では50歳未満:50歳以上=55:45だったが、総山行日数では40:60と逆転する結果になった。
最後に、これに死亡・行方不明者の割合を合わせてみよう。
10代:6.3%(死亡・行方不明者0.9%)
20代:7.1%(同2.5%)
30代:10.5%(同4.5%)
40代:15.3%(同8.8%)
50代:17.6%(同13.7%)
60代:19.8%(同26.9%)
70代:20.6%(同30.2%)
80代以上:2.8%(同12.4%)
単純な総人口と比べたものからは少し差が縮まった印象だ。
ということで、登山者数と山行日数をかけあわせて改めて検討した結果としては;
・高齢登山者は他年代より山に行く回数が多いので、それにともなって事故数も増える
・ただし、高齢登山者が若年登山者と比べて危険度が高いことは間違いない
――ということがいえるように思う。
統計疲れましたが面白いです
数字ばかり扱ってきて疲れた。頭パンクしそう。もし計算が間違っていたり数字の解釈がおかしかったりする箇所があったら、コメント欄で教えていただけると幸いです。
統計局のデータ、仔細に見るとなかなか面白いです。1年に200日以上も山に行く75~79歳が5000人もいることなどがわかります。六甲山で毎日登山している人などでしょうかね。
それから、年に1回でも登山にいけばこの統計にカウントされるので、友人や家族に連れられてたまたま1回行っただけとか、学校登山とか会社の合宿とかの人も入っていると思われます。それに対して、年に5~9日以上行っている人は主体的に登山を楽しんでいる、いわゆる登山愛好家といえる層になると思います。その人たちの数は約257万人。実態的な意味での「登山者数」はこちらの数字になるんじゃないか……なんてこともわかります。
あと、登山だけでなくていろいろなスポーツについて同様な統計をとっていて、そのなかにはクライミングもあります。「登山系」という名称になっていて、キャニオニングやシャワークライミング(沢登り?)などと合算されていますが、その総人口は約10万人になっています。インドアクライミングの人口は50万人といわれることも多いので、ちょっとこの10万人という数字は少なくないか?と疑問が湧きますが、どうなんでしょうかね。
ちなみに基にしたデータは以下からとりました。統計局の統計はエクセルデータをダウンロードしないと見られず、しかも大した説明もないので最初は面食らいますが、根気よく探せばわかると思います。


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