2020年5月16日土曜日

「登山再開に向けた知識」を読んで思ったこと


登山再開に向けた知識(計画と準備編)


登山をよく知る医師、大城和恵さんが作ったこの提言が先日来話題になっています。新型コロナウイルスの感染をいかに防ぎながら登山をするか、その注意点について医師としての見地からまとめたというものです。


一読しての私の感想;



感染者が大量発生したダイヤモンドプリンセス号では、トイレの床に次いで枕から多くのウイルスが検出されたそうです。そこで、これからは山小屋泊でも自分の寝袋を持参しようと提言されています。


ただ、寝袋持参というのは少しハードルが高いので、枕カバーやシーツではどうでしょうか。カバーだけだったらウイルスが突き通してしまって意味ないというのであればダメなんですが、多少なりともウイルスの防御効果があるのであれば、カバーやシーツのほうが現実的な落とし所になるのではないかと。家庭で使っているものをそのまま持っていってもいいかもしれないし、アウトドア用のものだったらかなり軽量コンパクトなものがあります。


ちなみに私のおすすめはシートゥサミットの製品。枕はものすごく軽いのに頭の載せ心地がとてもよく、山小屋泊だけでなくテント登山者にもかなりおすすめ。シーツはシルク系のライナーが肌ざわりがよくて軽くていいですが、コスパ重視派はノーブランドのコットンや化繊のものでもいいでしょう(ちょっと重くなりますが)。











【5月17日追記】
この素人案はダメみたいです。大城さんが上記提言の補足として5月16日に公開したQ&Aによれば、「インナーシュラフ等を使用して、共用の寝袋を使うことは、インナーの素材に関わらず、感染リスクを減らすことはできません」とのこと。寝ている間等に無意識に共用の布団にふれたりしてしまうからだそうです。詳しくはこちらを参照。

【7月10日追記】
厳密を求めれば上記の通りですが、シーツなどでもないよりはずっとマシのようです。山小屋でも、可能であれば寝袋やシュラフシーツを持ってきてほしいとしているところがかなりあります。





***


ところで、この提言をめぐって、山小屋界隈が荒れているようです。


この提言書、全25ページのうち11ページが山小屋事業者に向けてのもので、登山者向けというより山小屋事業者向けの内容になっています。しかしこれが徹底的すぎて「こんなのできるわけない」「現実を無視している」と、山小屋関係者から大不評だというのです。


不評だけならまだいいのですが、長野県ではこれをガイドラインとして各山小屋に対策を要請しているといいます。その結果、「実行できないので休業するしかない」という議論になっているところもあるそうです。


大城さんは医師として、考えられる対策をすべて網羅したのだと思いますが、ひとたびその手を離れると、いつの間にか「全部やらなきゃダメだ」という金科玉条になって流通していき、現実との齟齬をきたす。そんなだれも幸せにならない不幸な状況になってしまっているようです。


この提言に書かれていることを山小屋がすべて実行するのは、私も無理だと思っています。このなかから実行可能な対策のみ行なっていくというのが、提言の現実的な活用法でしょう。


で、そのとき、どういうことを優先的にやれば対策効果が高まるのかが素人にはわからないので、もっとも重要な対策5項目くらいにしぼった簡易提言書があるといいなと思いました。電子機器などでは、分厚い取扱説明書に加えて、重要なことだけにしぼった簡易説明書が付いていることがありますが、ああいうイメージ。


今回の提言書はVersion.1となっているので、Version.2あるいはVersion.1_aなどというかたちで、そういう簡易バージョンができればよいのではないでしょうか。



1 件のコメント:

  1. 初めてのコメント失礼します。
    私もpdfファイルを拝読しましつが、あの内容だともはや山小屋ではなく医療機関並の対策だな…と。
    私は一登山者で大抵ガイドさんと岩稜帯に行く際、山小屋を利用させてもらっていましたが、緊張感の続く岩稜帯を終え、たどり着いた山小屋で更に気を使い…だと考えると正直気が滅入りました。しかし何らかの策は必須ですし、利用する私達も以前とは違う行動を受け入れ適応していく覚悟は必要かと考えます。もう少し現実的かつ応用編や臨機応変さのあるガイドラインが発表される事を願っています。

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