2017年11月22日水曜日

「校正」と「確認」は違うぜよ

【メディア業界の専門的な話です】

最近、というかここ7~8年くらい、「校正確認」という言葉を見聞きする機会が増えました。記事を作る際に協力してもらった人や企業・団体などに、内容に問題がないか確認してもらう作業のことを指しています。しかしこの言葉、違和感がありまして、個人的には使わないようにしています。


なぜかというと。


「校正」というのは、誤字や脱字など、文章上のミスを正す作業を指します。「生年月日が違ってます」とか「価格が間違ってます」とか「こんなこと言ってません」とか、そういう事実を正す作業は、「校正」ではなく、たんなる「確認」であるからです。


ところが、だれが言い始めたのか、私の周りでは日常的に聞きます。編集者などに「校正確認すんでますか」と聞かれるたびに、「ええ、『確認』ずみです」などと、意地を張って校正という言葉を使わないようにしたりしているのですが、あまりの多さに面倒で流すときもあります。


そんな細かい言葉の問題にこだわらなくてもいいのかもしれないけれど、こだわりたい理由があります。それは、「校正確認お願いします」と頼むと、「えっ、あんたが書いた文章のミスをおれが正さなきゃいけないの?」と受け取る人がいるから。「そんなやついないよ」と思う人は、日常的に校正という言葉を使っていて、校正という言葉に対する感覚が麻痺しているのでしょう。普通の人は日常で校正なんて言葉は滅多に使わないので、「校正お願いします」と言われたら、辞書どおりの意味にとってしまうものです。


だから、「校正確認」やめようぜ、という話でした。「校正確認撲滅委員会」でも立ち上げようかな。同志募集。


*これ、もしかしたら私の周りだけで起こっている事象かもしれません。同じ出版・メディア業界でも、私の付き合いのないところでは「なんじゃそりゃ、そんな変な言い方しないよ」というところが大半という可能性もあります。



2 件のコメント:

  1. まったく同感。「先方の校正取りました?」とか言われるのがもっとも嫌い。僕も「確認」と意地を張ってきたひとりです。

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    1. 同志!

      こんな感覚の持ち主がひとりじゃないことわかって安心しました。やっぱヘンですよね。

      校正確認撲滅同志会(略称「ドーシカイ」)でも作りましょう。

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