2015年8月31日月曜日

今後マッキンリーはデナリと書くように


……ということらしい。
「マッキンリー」は入植してきたヨーロッパ人が付けた名前。
「デナリ」はもともとの現地名。
登山界ではどちらも使われていてややこしかったので、この際デナリに改称というのはいいことだと思う。もともとデナリだったんだしね。


仮に日本が過去、ヨーロッパの植民地にされていた期間があったとして、
富士山が「ジョン・スミス山」という名前で勝手に呼ばれていたとして、
そちらのほうが国際社会では通りがいいことになっていたとしたら、
日本人としてはそりゃあ面白くないよね。
だからデナリに戻すというのは本来あるべき姿だと思うのです。


ちなみに東京・四谷にデナリという登山用具店があります。
店主とスタッフが異常にマニアックで、ブログは必見です。
あまり本来のデナリには関係ないんですけど。



ところで、デナリのように呼び名がいくつかある山はほかにもあります。
いちばん有名なのはエベレスト。
チョモランマともいうけれど、エベレストとの関係性を聞かれることがたまにあるので、この機会に整理しておきます。


エベレスト……イギリス人がつけた名前。マッキンリーと同じです
チョモランマ……チベット側の現地名
サガルマータ……ネパール側の現地名


エベレストはネパールとチベット(中国)の国境にあるので、双方で呼び名が違ったわけです。


エベレストに次ぐ世界第二の高峰・K2は、


K2……イギリス人がつけた名前
チョゴリ……中国側の現地名


パキスタン側の呼び名は知りません。聞いたことないけどあるんでしょうか。パキスタン側だと人里遠く離れた奥地にあたるので、もともと現地名はなかったのかもしれません。


山をはさんでこっち側と向こう側で呼び名が違うという例は日本にもあって、
有名なところでは金峰山。


きんぷさん……山梨側の呼び名
きんぽうさん……長野側の呼び名


字面は同じだけど読みが違うという例です。
全国的にどちらで知られているかというと、どっちかというと「きんぷさん」かな。



ともあれ、今後、マッキンリーのことを文中に書くときは「デナリ」と書くように注意だ!





【9月2日追記】

デナリ改称で微笑むのは誰か

こういう見方もあるらしい。そんな事情は考えてもみなかった。これが事実かどうかはわからないけど、物事は多角的に見る必要があるなとあらためて思いました。






2015年8月10日月曜日

商品紹介文はどう書くのが正解なのか

SONY α7R II | SHOOTING REPORT

NIKE AIR MAX 95 ULTRA


つらつらとインターネットを見ていて気になったふたつのページ。
どちらも商品の紹介。要は宣伝文です。
ものすごい好対照に感じたのでメモ。


どちらに魅力を感じますか?
商品自体のことじゃなくて、文章として。
より正確にいうと、これを読んで商品を買いたくなるのはどちらか。


私はいうまでもなく前者のソニー。
これを書いた人はかなりうまいな!と思いました(NBというイニシャルしか記されていないけど)。


それに対して後者のナイキは頭どうかしてるんじゃないかという文章。
これは日本語なんでしょうか。


しかし広告の現場では、こういうナイキみたいな文章が好まれるケースもある。
こんな文章読んで商品に興味を持ったり買いたくなったりするわけないと思うんだけど、
こういうのが採用されるということは、効果があるということなんでしょうか?
それともエアマックスみたいな超有名商品は文章の説明なんか不要なので、
なんとなくの単語だけ並べておけばそれでいいということなんでしょうか。
どう考えてもこれでいいとは思えないんだけどな。
うーん、わからん。


まあでも、ソニーのカメラ欲しくなってしまいましたよ。
やるじゃんNB。




2015年8月9日日曜日

アルピニズムと死




わたくしのアイドルであり大先生、山野井泰史さんの最近刊、いまごろ読了。


内容的には前著『垂直の記憶』のほうが読み応えがあったのだけど、
それ以前に、
「です・ます」調と「だ・である」調が混在していたり、
タイトルと内容がイマイチ合っていなかったり、
編集上の問題点が気になったな。
意図的なものなんだろうか。
もうちょっとていねいに編集したら読み応えは上がったような気がする。


いちばん印象に残ったフレーズはこれ。

次に展開される風景にいつも期待感を持っているクライマーでありたい。山が次々に出題するパズルを素早く解決できるクライマーでありたい。

山登りの醍醐味って私もこれだと思うんですよ。


昔、『山と溪谷』の記事で、同じような意味合いのこと書いたことがあります。
「ここから北鎌尾根はさまざまな課題を出してきた。それに正解すれば次へのルートが開かれ、間違えば行き詰まってやり直しだ」……みたいなこと。
引用したかったのだけど、当時のヤマケイは手元にほとんど残しておらず、確認ができない(残していなかったこと後悔してます)。


山登りはパズル。
そこにいちばんの面白みを自分は感じているので、
大先生も同じようなこと考えていてうれしくなったのでした。



ちなみにこの本に出てくる西上州一本岩という岩塔。
これにトライした「4人のクライマー」のうちひとりは私です。
「4人の優秀なクライマー」と書かれていますがそれは間違いで、
4人の中では私がダントツでヘボでした。